小学校へ入学して、はじめての給食の日。
お皿に盛られた食パンやおかずや牛乳を見て、"こんなに食べられない、どうしよう!"とパニックになった。
みんなも同じ気持ちのはず、と隣の席の男子に目をやると、"やったー!うまそー!"と大喜びでパンにかじりついていた。その隣の子も、隣の隣の子も、同じように喜んで食べ始めていた。
給食を目の前にして、テンション爆上がりになっているクラスメイトの気持ちが私にはまったく理解できず、パニックで気持ち悪くなった私は、入学早々教室で大号泣してしまった。
そのようなことが度々あった。
以来、日常生活に支障が出るほど様子のおかしな子供だったらしい私は、不安を過度に感じる病気だと診断された。生まれつきこの性質なのだから、もはや性格だと思う。
ただ、大人になるにつれて、他の人の気持ちや、マジョリティの感性や、取り決めや建前や本音や、たくさんの世の中の仕組みが分かるようになってきたことで、大分マシになってきた。
それでもダメなときはダメだけど、ダメなりのやり過ごし方も身についたし、傷つくことにも慣れたし、病院との付き合い方もバッチリ会得した。
つまり、めちゃくちゃ生きやすくなった。(当社比で)
"大人はしんどいぞ"、"仕事はつらいぞ"、"子供はいいわね"なんて、大人はときどき、子供の私にそのようなことを言った。
だけど私は、大人になってからのほうが、社会人として会社員として生きている今のほうが、子供の頃より、遥かに遥かに遥かに、幸せだ。
昔に戻りたいだなんて、1ミリも思わない。
勝手に決めつけて勝手にひとの足を引っ張らないでくれ。
大人なのに、こんなに最高でごめんね💗