大好きで大好きでたまらなかった愛犬は、去年の12月に突然死んでしまいました。
もともと心雑音があったり体は強くなかったのですが、寒くなり始めてから急激に弱りだし、最後は見ていられないくらい苦しみながら死んでゆきました。
彼の指の骨を火葬場から取ってきたので、小さなカプセルに入れて肌身離さずいつも持ち歩いています。
心臓がとまる最後の1秒まで、生きることを諦めなかったあの子の想いを、どこかにつなげていきたくて、最近はこっそり動物愛護団体に寄付をしたりしています。
わたしは愛するワンコたちから、人生におけるたくさんの大切なことを教えてもらいました。
なのに、今日もたくさんの犬たちが、猫たちが、保健所で殺されている。
寂しくてつめたい保健所のなかでこだまする彼らのSOSを、わたしたちの大半は気にも留めない。
最近のわたしたちはといえば、安全のために必要以上のマスクやトイレットペーパーやチルド食品を一生懸命買いに走っている。
人生が有限だということなんて今まで考えもしなかったような人たちが、突如ウイルス対策と生存戦略に精を出している。
地球のどこかの、石鹸やアルコール消毒すら手に入らない貧しい国のことは、内戦の続く国で死んでいく人たちのことは、なんの罪もなくゴミのように扱われ殺される犬や猫たちのことは、いったん置いといて。
わたしたちは、散々なかったことにした沢山の悲鳴や叫びや泣き声のうえに立っているのだから、わたしたちの死の恐怖だって、なかったことにされても仕方ないのかもしれないよ。