人前で歌うことを始めて、早7年になる。
音楽は基本的にずっと聴いていて、イヤホンはすぐ断線する。
わたしをここまで生かしてくれた音楽があったのは本当に確かで、わたしにとってそれは、フェスで友達や恋人との距離を縮めたり、大声を出してしょーもないストレスを発散するためのものではない。
もう消えてしまいたい、どうしても越えられそうにない夜に、1秒1分生き伸ばすための音楽。安定剤が効くまでの30分、誰の手も借りずに耐え忍ぶ時間を埋めるための音楽。生きていたらいつか幸せになれるのかどうかは知らないけれど、生きてしまっているから、生命の続く一瞬一瞬の痛みをせめて安らかにするために、音楽。
2017年はギブソンのギターを買った。
自分の言葉を自分の演奏で歌ってみたかったからである。
全部自分、全部わたし。
出会った人が、生きててよかったー!て思うような崇高で素晴らしい芸術はきっと残せないけど、もしかしてこの人私のこと歌ってくれてる???って思ってもらえる凡人ならではの人間臭い音楽ならやれる気がしているし、それで生き辛い人の孤独が少しでも癒えればいい。
そうすることが音楽へのささやかな恩返しだと思っている。
残念ながら、メンヘラなんて言葉で片付けてもらえるほど、わたしは軽症ではない。だけど、だからこそ、おなじ景色を見た人にだけわたしは味方してみたいと思うし、一緒にランチにも行ってみたいし、オススメの映画を一緒に見たい。薬漬けのからだでも、ボロボロの左腕でもいいから、とりあえず生きててね。